えんぶのホビログ

(非公式)カセット式BB(VP BC-73)分解・メンテナンス

回転がゴリゴリしているカセット式BB(ボトムブラケット)をメンテナンスします。
通常カセット式BBにはシールドベアリングが使用されています。
シールドベアリングとは、ベアリングの玉部分にシールドと呼ばれる保護カバーがあり、グリスの流出を防いだり、ゴミの侵入を防いでいます。
シールドベアリングは、回転が悪くなったらベアリングを交換するのが通常の使用方法ですが、今回はあえてシールドまで外してメンテナンスしてみます。
と、言うよりは分解できるのか検証してみます。

これが外したBB(ボトムブラケット)と呼ばれるパーツです。
自転車のペダルが付いているアームの根元の部品で、左右のアームをつないでいる軸部分です。
この画像のものはカセット式BBと呼ばれていて、ベアリングが使用されているタイプとなっています。他にカップアンドコーン式と呼ばれる調整可能な軸受けを使用している自転車もあります。安価なママチャリに使われている場合が多いです。
今回はこのカセット式BBを分解してみようと思います。

外したBBには型式が記入されたシールが貼ってありますね。
VP BC-73というものみたいです。
VPはメーカー名で、比較的低価格な部品だったと記憶しています。

見る限り、錆びてるのか、錆びが移ったのかで、茶色に変色している部分があります。
ちなみにBBは、自転車またがって、右足側が逆ねじで固定されており、左足側が正ねじで固定されています。
自転車を漕いだ時にネジが締まる方向ってことですね。
普通ねじは、時計回りに回すと締まり、反時計で外れるんですが、BBの右足側は逆ねじなので、時計回りで外れ、反時計周りで締まります。
(それに気付かず、全力で締めこんでいたのは内緒ですw)


左側のワン(ネジ部)は、BBを組み付けるために元から外れるように設計されており、簡単に外れるので、ベアリングのメンテができそうですが、右側のワン取れません。
どうやら、ワンとベアリングは圧入か、接着されているみたいです。
壊れてもいい覚悟で、ベアリング部を手で握る様に持ち、ゴムハンマーで軸を叩いていたら(30分ぐらい?)左側のベアリングと中央部のカラーの間に隙間ができてきました。
どうやら、軸と左側ベアリングの内側が少しズレたようです。
外したいのは右側だったので、チックショー!(小梅太夫風)と中央部のカラーを叩いてみたら、カラーと右側のワンが外れました。どうやらカラーと右ワンも圧入されていたみたいです。
このままでは本当に壊しただけになってしまうので、焦ってしまいました。
ここまで来たら、やれるところまで分解してみたいので、右ワンを握るように持ち、軸をひたすら叩きました。
すると、ようやく右ワンが少しずつ抜けてきました。
ハンマーを持っていた腕がパンパンになりながら、叩き続けて、ようやく右ワンが外れました。


このBBに使用されているベアリングのシールは樹脂製だったので外輪側ををカッターの刃を利用し、こじって取り除くと・・・

なかなかグロテスクなベアリングがコンニチワしました。
なにやら茶色いドロドロしたものが入っていますね・・・おそらくグリスなんだろうと思います。
まるで、う○こ・・・匂いはありません(笑)
さっそくパーツクリーナーで洗浄しました。

洗浄したら、すごく綺麗になりました。
中身は大丈夫みたいですね。これ以上は分解する自信がありませんでしたので、ここで分解は終了しました。

グリスらしきものを全部取り除いてしまったので、カラカラと軽く回ります。
いくら良く回っても、このまま組んだら、すぐに錆が発生しますので、ウチの部品の中で唯一デュラエースと名の付いた(よく見たら書いていないけど)
シマノ製デュラグリスを充填しました。蛍光の黄緑色っぽいグリスです。

このグリスの特徴は、水に強い(らしい)ので、何年かノーメンテで運用できるのではないかと目論んでいます。

分解して、グリスアップが完了したので、これから組み込み作業です。
分解時と同様に叩き込むのは大変なので、右ワンの内側をサンドペーパーで少々削って圧入しなくても良い状態にしました。
何度も現物合わせを繰り返しながら、ベアリングと右ワンのガタは出ない程度に削りました。
仮組みを進めていたところ、2つのベアリング中央の銀色のカラー外径も右ワン内径より大きく、右ワンが組み込めません。
というわけで、銀のカラーの右ワン側の外径も少々削りました。
あとは、少しゴムハンマーで叩きながら組み立てれば完了です。

最後に注意点があります。
このような分解方法でメンテナンスをすることは、設計上想定していないと思いますので、
自己責任でお願いします。
また、何があってもメーカーにクレーム出すのはやめましょう。